僧帽筋は首から背中にかけての筋肉。主な役割としては肩甲骨を寄せたり、肩をすくめたり、肩を上げたりするときに使われています。
物を持ち上げたり、引き寄せたりするときに使われるので、スポーツはもちろん日常生活でもよく使われている筋肉ですね。
そこで今回は僧帽筋の役割と機能・筋トレ方法やトレーニングメニュー・ストレッチ方法をそれぞれ解説していきたいと思います。
目次
僧帽筋は肩甲骨を寄せるときに使われる筋肉
僧帽筋は主に肩甲骨を寄せるときに使われている筋肉です。僧帽筋が収縮することで、胸を張る、肘を引く、肩を背中側に回すときなどに使われています。
物を掴んで引っ張ったりする動作を強化するなら、僧帽筋を鍛えるべきですね。
(Artposeより)
僧帽筋は上部・中部・下部の3部構成
僧帽筋は首・肩・背中にかけての結構大きな筋肉で、大きく分けて上部・中部・下部と3部に分かれています。
それぞれが連携して、肩甲骨の内転(内側に引き寄せる)・旋回・持ち上げるなどの動作を行ってくれます。
僧帽筋を鍛えることで得られるメリット
僧帽筋は肩甲骨の動きにに大きく作用する筋肉。鍛えることで得られるメリットをみていきましょう。
物を手前に引き寄せる動きに強くなる
僧帽筋は肩甲骨を寄せるときに使われる筋肉ですが、これはつまり肘を引く動作に強くなるということ。スポーツでは柔道やボートなどで、相手を掴んで引き寄せたり、パドルを漕ぐときの動作の強化に貢献してくれます。
日常生活でも肘を引く動作を行うと思うので、スポーツや種目に限らず引く動作を強化したいなら僧帽筋を鍛えよう。
連携して、広背筋も引く動作に大きく関与しているのでさらなる引く動作の強化を目指すなら広背筋も同時に鍛えるものおすすめ。
肩こりや巻き肩の改善
肩こりや巻き肩の原因となっている一例として、僧帽筋が凝っていることが原因である場合が多いです。そのため僧帽筋を強化・動かすことで血行改善となり、肩こりや巻き肩の改善につながります。
肩こりや巻き肩の原因が僧帽筋を使いすぎている・疲労が溜まっている場合は僧帽筋のストレッチを行うといいですね。
僧帽筋の筋トレ方法・トレーニングメニュー
僧帽筋の具体的な筋トレ方法・トレーニングメニューを見ていきたいと思います。自宅でもできる自重トレーニングからジムで行えるマシントレーニングなど順番に見ていきたいと思います。
僧帽筋・自重トレーニングメニュー
まずは自重トレーニングメニューをみていきます。自重トレーニングとは自分の体重を使って、トレーニングすることをいいます。自宅でも気軽にできるので覚えておいて損はないですよ!
懸垂(チンニング)
懸垂(チンニング)は広背筋を鍛えることで有名な自重トレーニングですが、同時に僧帽筋も鍛えることができるメニューです。
自重トレーニングとはいえ、懸垂マシンを自宅に用意するのは少し難しいですが、自重のなかでも高負荷をかけられるトレーニングメニュー。上半身を強化したいなら押さえておきましょう!
懸垂(チンニング)のやり方 |
自分からは手の甲が見えるようにバーを握る |
手を肩幅より少し広めにバーを握る |
胸をバーに近づけるイメージで、身体を持ち上げていく |
身体を持ち上げるときに肩甲骨を寄せるようにする |
胸がバーに近づいたら、ゆっくり肘を伸ばして戻す |
これを繰り返す |
僧帽筋・ダンベルorバーベルトレーニングメニュー
それでは次にダンベルまたはバーベルを使った僧帽筋を鍛えることができるトレーニングメニューをみていきましょう。ダンベルかバーベルを使うことで、自重よりも負荷を高められるので、上半身をさらに強化したいなら是非トライ!
ワンハンドローイング
ワンハンドローイングとは前傾姿勢でダンベルを引くことで僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋・三角筋後部を鍛えることができます。
やり方も比較的簡単なのに広範囲に渡って上半身を鍛えることができる、優れたメニューです。
ワンハンドローイングのやり方(右手側) |
左ひざと左手をベンチにかける |
右手にダンベルを持つ |
腰から首までが真っすぐになるように構える |
肘が直角になるまで、ダンベルを持ち上げる |
ダンベルを持ち上げたら、ゆっくりダンベルを下ろしていく |
これを繰り返す、左手もかける手足を逆にして同じように行う |
シュラッグ
肩をすくめることで、僧帽筋を鍛えることができるのがシュラッグ。ダンベルまたはバーベルどちらでもできるので、覚えておくといいですね。ダンベルの方が可動域が多いため、個人的にはダンベル・シュラッグがおすすめ。
シュラッグのやり方 |
ダンベルを両手に持つ |
脚を肩幅ほどに開く |
肩をすくめて、肩の力でダンベルを持ち上げる |
ダンベルを持ち上げたら、ゆっくり下ろしていく |
これを繰り返す |
アップライトロウ
アップライトロウ(アップライトローイング)はウエイトを身体の前で構えて、肘を曲げるように肩の位置まで持ち上げることで、僧帽筋・三角筋を鍛えることができるトレーニングメニュー。
ダンベル・バーベル・チューブ・ケーブルマシンそれぞれでアップライトロウができるので、目的や環境に合わせてトレーニングできますよ!
アップライトロウのやり方 |
ダンベルまたはバーベルを握り、身体の前に構える |
肘を身体の外側に曲げるように、ダンベルを持ち上げる |
ウエイトが肩の高さまで持ち上げたら、ゆっくり元に戻す |
これを繰り返す |
デッドリフト
デッドリフトは筋トレBIG3と呼ばれるほどの筋トレ代表格です。僧帽筋はもちろん、上半身・下半身の筋肉も鍛えることができる筋トレメニューとなっています。
- 僧帽筋
- 大腿四頭筋
- 大殿筋
- 広背筋
- ハムストリング
- 前腕筋群
- 上腕二頭筋
このようにデッドリフトは上半身・下半身と広範囲にわたって鍛えることができるトレーニングメニューなので、下半身も強化したいなら取り入れるべき筋トレメニューですよ。デッドリフトはダンベルまたはバーベルどちらでもできます。
デッドリフトのやり方 |
スネがバーベルにギリギリ触れない位置に立つ(バーベルから離れた位置でウエイトを持つと腰を痛めるので要注意!) |
肩幅ほどに脚を開く、つま先はまっすぐか少し外側に向ける |
腰から首までが真っ直ぐになるように意識して、膝を曲げながら腰を少し下げる |
バーベルは開いた脚よりも広めの位置で持つ |
バーベルを握ったら、背中が丸まらないように膝を伸ばしていく |
膝が真っ直ぐになったら、背中が丸まらないように膝を曲げながら、腰を下ろしていく |
ウエイトが地面についたら、背中が丸まらないように膝を伸ばしていく |
これを繰り返す |
ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングは僧帽筋以外にも広背筋・三角筋後部・上腕二頭筋と広範囲にわたって鍛えることができるメニューです。上半身をまんべんなく鍛えたいなら取り入れるべきですね
初心者はダンベル、慣れてきたらバーベルで高重量を扱うと言うようにすると怪我もしにくいので、ダンベル⇒バーベルとレベルアップさせるのがおすすめですよ。
ベントオーバーローイングのやり方 |
脚を肩幅ほどに開いてバーベルを持つ |
背中が丸くならないように、膝を少し曲げる |
腕を地面に伸ばしたら、肘を引くようにバーベルを持ち上げる |
バーベルを持ち上げたらゆっくりとバーベルを下ろしていく |
これを繰り返す |
僧帽筋・マシントレーニングメニュー
それでは次はマシンを使った僧帽筋を鍛えるトレーニングメニューをみていきましょう。マシンとはジムに設置されているマシンのことを指します。マシンはフォームを決めるのが簡単で、軌道も決まっているので狙った筋肉を刺激しやすく、実は初心者にもおすすめ!
ラットプルダウン
ラットプルダウンはジムに行けばほぼ確実にある人気トレーニングマシン。いくつかバリエーションがあり、バーを胸の前に引くのが基本ですが、バーを首の後ろに引くことでとくに僧帽筋を重点的に鍛えることができます。
僧帽筋以外にも広背筋も鍛えることができますよ。
ラットプルダウンのやり方 |
マシンの椅子に座り、バーを肩幅より広めに握る |
胸を張り、肩甲骨を近づけるようにバーを引く |
バーを引いたら、ゆっくりとバーを戻していく |
これを繰り返す |
シーテッドローイング
シーテッドローイングは鍛えられる筋肉・動作としてはワンハンドローイングやベントオーバーローイングに近いです。
マシンだとフォームを決めるのが簡単・狙った筋肉を刺激しやすいなどのメリットがあるので、目的に応じてマシンを選びましょう。
シーテッドローイングのやり方 |
マシンの椅子に座る、バーの高さは胸の位置にする |
肩甲骨を近づけるようにバーを引く |
バーを引いたら、ゆっくりと元に戻す |
これを繰り返す |
僧帽筋のストレッチ方法
そして次に僧帽筋のストレッチ方法をみていきましょう。
そもそもなぜストレッチが必要かというと、トレーニングをする前なら筋肉を動かすぞ!と筋肉に合図を出し、筋肉をあたためてケガを防ぐ効果があります。また筋トレ後の場合は、トレーニングで筋肉を刺激すると血管に老廃物が溜まった状態。この状態を放置しておくと疲労が回復しにくい・ケガの原因となってしまうためストレッチをして血行を良くし、老廃物を流してやりましょう。
といった理由からトレーニング前後にストレッチ必ずやりましょう。

僧帽筋をあたためる運動前のおすすめストレッチ
僧帽筋を休ませる運動後におすすめストレッチ
引き寄せる動作を強化するなら僧帽筋だね!
僧帽筋は主に肩甲骨を寄せる動作を行っている筋肉ということがわかりましたね。つまり物を引き寄せたり、肘を引いたりする動作を強化したいなら鍛えるべき筋肉です。
スポーツでは柔道やボート競技では相手を掴んで引き寄せたり、パドルを漕ぐ動作で使われるので、目的に応じて僧帽筋を強化してみましょう。
僧帽筋についてポイントをまとめると
- 僧帽筋は主に肩甲骨を寄せる動作をするときに使われる
- 鍛えると物を掴んで引っ張る動作を強化できる
- 鍛えると肩こりや巻き肩の改善につながる